募集概要
こんな人を求めています!
●東草野地域へ移住できる方
自ら東草野地域の住民となっていただき、住民の一員として、将来にわたって集落営林方式の自伐型林業の担い手として活躍していただきます。原則として、H29年10月1日から移住・着任できる方を優先します。
意欲さえあれば、年齢・性別・経験は問いません。
●山に入る仕事や田舎での暮らしが好きな方
林業も田舎暮らしも、好きだからこそ続けられるもの。決して楽しいこと、楽なことばかりではないことを理解した上で、それでもやりたい、住みたいと思ってくださる方を歓迎します。
●プロの林業家になる意欲と責任感を持てる方
今は林業の専門的な経験はなくても、研修等に意欲的に取り組んで技術を習得し、山主の山林を預かって持続的に管理するにふさわしい責任感を持って事業を行っていただきます。特に、危険を伴う作業が多い林業の現場では、チームのルールを遵守し、安全管理に万全を期し、訓練を怠らず、基本に忠実な行動をとれる行動力・判断力が求められます。
●田舎の近所付き合いや自治会活動などが苦手でない方
あまり人と関わりたくない、ご近所さんにプライベートを干渉されたくない、伝統や風習に縛られたくない、自分の得にならないことに時間や労力を割きたくない…という方や、逆に「自分の力だけで地域を変えてやる」という意識が強すぎる方は、おそらく東草野地域への移住には不向きです。
「郷に入っては郷に従え」を受け入れつつ、コミュニティとうまく関わっていける方を歓迎します。
●「田舎起業」に関心と意欲がある方
自伐型林業と並行して、「+」ビジネスについても自分ごととして考え、積極的にチャレンジしていただきます。その意味で、東草野地域の資源や地域性を活かせる専門性や資格などの「手に職」を持っておられる方が有利ですが、関心と意欲さえあれば、移住してからでも知識や技術を習得して新たなローカルビジネスを起業することは十分可能です。
●永住したいと考えてくださる方
2~3年ここで経験を積んで、その後は別の地域で自伐型林業を…と考えておられる方よりも、ずっと東草野地域に住み続けて、この地域の山林を守り続けたいと考えてくださる方を優先します。
東草野まちづくり懇話会では、米原市との協働により、総務省の地域おこし協力隊制度を活用して、「水源の里まいばら 自伐型林業みらいつくり隊」を募集することになりました。条件・待遇・スケジュール・応募方法など、詳細について知りたい方は、米原市ホームページの「募集要項」をご確認ください。
移住のセンパイ達
東草野地域には、Iターン移住し、その後も定住しながら活躍しているセンパイ移住者が10人以上います。自らの経験にもとづいて、移住先で上手に暮らしていくための相談・アドバイスに快く応じてくれますよ。
●上野華江(since 2014 / 岐阜県出身)
伊吹山が好きで、甲津原に広がる棚田の風景に感銘を受けて移住を決意。カフェ経営の経験と薬膳の知識を活かして、古民家カフェレストラン「山のごはん よもぎ」を2015年に開業。
●早川鉄兵(since 2010 / 石川県出身)
米原市「みらいつくり隊」1期。東草野の多様な野生動植物をモチーフにした切り絵の創作活動が高く評価され、全国的に知られるように。
人気の里おこしイベント「伊吹の天窓」実行委員長もつとめている。
●柳生のび(since 2011 / 兵庫県出身)
米原市「みらいつくり隊」2期。みらいつくり隊の先輩だった麻里さんと結婚。学童指導者、「背骨コンディショニング」トレーナー、当懇話会事務局 他。
●柳生麻里(since 2010 / 大阪府出身)
米原市「みらいつくり隊」1期。みらいつくり隊ののびさんと結婚し、1児の母となる。「佐々木文具店」でランチを担当。
●藤田知丈(since 2014 / 島根県出身)
「カラダもココロも環境も持続可能な暮らし」の実現を志して移住。「暮らシフト研究所」を立ち上げ、自然栽培、養生おにぎり販売、情報デザイン、まちづくりコンサルティング等を行う。当懇話会事務局 他。
まずは「現地体感&交流」を!
着任してから「想像していたのと違う」「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、応募~審査・選考に至るまでの間に、何度でも東草野地域に通っていただき、「自伐型林業の森」や集落の現状を見学したり、研修や現地活動に参加したり、住民と十分に交流を深めてください。
移住を検討くださっている方は、下記の活動にいつでも参加できます(要・事前連絡)。また、活動日以外でも、事前に連絡いただければ、いつでも現地見学・説明・相談に応じます。このページには記載できない情報も含めて、訪問していただいた方には腹を割ってすべてをお話します。
《主な定例活動日》
●毎月第2土日は「自伐型林業担い手育成研修」の日!
住民有志および昨年度に実施した「自伐型林業担い手育成塾」1期生を中心に、以下のような研修を実施しています(研修内容は事情により変更する場合があります)。
参加無料、旅費・食事代・宿泊代は実費負担。
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5月13・14日 作業の安全管理、ロープワークを極める!
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6月10・11日 チェンソー&ユンボのメンテ術を極める!
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7月08・09日 チェンソー&ユンボの操作術を極める!
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8月12・13日 伐木・造材・牽引の基本術を徹底反復練習!
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9月09・10日 広葉樹の伐木・造材・薪作りを極める!
●毎週金曜は「自伐型林業の森」活用検討&作業の日!
ヒガシクサノの「自伐型林業の森」の下刈りや遊び場づくり、林業副産物を活用した商品開発の検討ワークショップなど。日によって集合場所・時間・内容が変わります。天候等の都合で中止になる場合もあります。参加無料、旅費・食事代・宿泊代は実費負担。
●活動の様子は、facebookで随時更新しています!
応募方法&問合せ
米原市に応募用紙を提出する前に、まずは、下のボタンをクリックして、問い合わせフォームからメッセージをください。そして、調整のうえ、タイミングが合えば上記の研修日や活動日に、合わなければ随時個別の日時に、東草野地域へお越しください。直接現地を見て、体感して、私たちと交流してみて、本当にここがあなたが求めていた場所なのか、ご自分の思いをしっかり確認してみてください。
あなたからのメッセージをお待ちしています!
【写真出典】地域情報誌「ふもと」2号 特集記事より
(C) 2017 東草野まちづくり懇話会 All rights reserved.
『ヒトが生きるにはココチよい。びわ湖の素・米原』として売り出し中の滋賀県米原市。
言わずと知れた日本一の湖・琵琶湖の北東部に位置し、岐阜県に隣接する滋賀県最高峰の伊吹山を擁する、ゆたかな自然に囲まれた人口約4万人の小さな地方都市です。
滋賀県で唯一新幹線が止まる駅をもち、西日本と東日本、日本海側と太平洋側をむすぶ交通の要衝で、日本中どこへ行くにも便利な地域であり、それゆえ、街道文化が発達し、戦国時代には天下分け目の決戦の舞台にもなりました。
「国の重要文化的景観」や「日本遺産」に選定されるなど、琵琶湖水源域の伝統的な山村景観を今に伝えるゆたかな自然・歴史・文化資源が注目される貴重な地域ですが、近年は急速に過疎化がすすみ、東草野まちづくり懇話会を中心に、地域活性化にむけた様々な取り組みが行われています。
しずかな谷あいの中山間地域で、土地面積の9割以上は山林です。杉・檜の人工林よりも広葉樹林の面積が広く、新緑から紅葉まで、四季折々のカラフルな表情を魅せる山々やシンボリックな巨木に囲まれた暮らしは、心もゆったり。集落周辺でも、日常的に旬の山菜や薬草を詰んで食べたり、可愛らしい野の花を愛でることができます。
【動画】奥伊吹スキー場 PR動画
東草野地域の歴史は古く、「起し又縄文遺跡」の調査結果から、少なくとも6,000年前にはこの地域に人々が定住していたと考えられています。また、この遺跡から関東、東海、飛騨、紀伊半島や瀬戸内地方の特徴を持つ土器も発見されていることから、この地は縄文時代から峠道を通じて東・西日本各地との交流があったことがわかります。きっと、自然の恵みをいかしたゆたかな自給自足の生活の拠点になっていたのでしょう。
その後も、東西をむすぶ裏街道や隠れ里として、さまざまな伝説が残っています。
室町時代、木曽義仲の右腕として活躍し、のちに浄土真宗の宗祖・親鸞聖人に帰依したとも伝わる西仏坊覚明は、曲谷集落周辺に良質の花崗岩が豊富にあったことから、曲谷住民に石工の技術を伝えたといいます。曲谷の石工が作った石塔や石臼は、近江北部~西美濃の広い範囲で使われていたようで、昭和初期頃までは曲谷のほぼ全ての家で石工の仕事をしていました(現在は残念ながら現役の石工職人は残っていません)。
甲津原集落には、織田信長と浄土真宗本願寺勢力とが戦った「石山合戦」に敗れて落ち延びた顕如上人、教如上人が甲津原の行徳寺に隠れ、村人がなぐさめるために踊ったのが始まりとされる「顕教踊り」が伝わっているほか、室町時代から10面の「能面」が大切に保存されています。
ほかにも、長浜城から逃げ延びた秀吉の母と妻をかくまったという記録や、関ヶ原の戦いに敗れた石田三成が隠れていたとの伝わる炭窯跡が残っているなど、歴史の裏舞台としての数々の伝説がある地域です。
平成26年3月、東草野地域全域が「国の重要文化的景観」に選定されました。滋賀県で5件目、琵琶湖と離れた山間部では初めてとなる選定で、長い歴史に裏打ちされた特徴的な峠道の交流文化や伝統産業の記憶が色濃く残る山村景観が高く評価されたものです。
また、「琵琶湖とその周辺景観ー祈りと暮らしの水遺産」が平成27年に「日本遺産」に選定された際、びわ湖水源の里である東草野地域も、その構成文化財となっています。
「東草野(ひがしくさの)」は、そんな米原市の最北部に位置し、琵琶湖に注ぐ姉川の最上流域にあたる中山間地域。「甲津原(こうづはら)」「曲谷(まがたに)」「甲賀(こうか)」「吉槻(よしつき)」の4集落が姉川峡谷沿いに点在していて、あわせて約130世帯・300人の人びとが生活しています。
東草野の自然
国の重要文化的景観「東草野の山村景観」
東草野の産業・特産品
かつては、棚田での米作りのほか、木炭・石臼・絹糸・麻織物・造林業など、山の資源を活かした産業がさかんに行われ、食糧・建材・燃料・日用品などはほぼ自給していましたが、高度成長期にライフスタイルが近代化し、ほとんどの伝統産業が衰退しました。
豪雪を活かして奥伊吹スキー場が開設されると、スキー場に最も近い甲津原集落を中心に民宿業が栄えましたが、姉川ダム建設と併せて2車線の走りやすい県道が整備されると、スキー客の大半は日帰りが可能になり、今も営業する民宿は2軒のみとなりました。
現在は、西日本最大級となった「奥伊吹スキー場」のほか、営農組合を中心とした棚田での水稲栽培、日本そば発祥地とも言われる伊吹在来そばの栽培、みょうが・山椒などの山菜、「甲津原山菜加工部」によるとち餅・漬物・味噌・梅干などの加工品や山の幸弁当、「立澤商店」の自家製豆腐などが特産品として挙げられます。
東草野の生活環境
《バス》
路線バスあり(1日5~8往復、2時間に1本程度) →時刻表へ: 平日 土曜 日祝
《JR》
米原は、東西日本の結節点。関西・中部関東・北陸へのアクセスにたいへん優れています。
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米原⇔草津 (在来線)約30分
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米原⇔京都 (在来線)約50分 (新幹線)19分
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米原⇔大阪 (在来線)約1時間20分 (新幹線)34分
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近江長岡⇔大垣 (在来線)約25分
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米原⇔名古屋 (在来線)約1時間10分 (新幹線)27分
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米原⇔東京 (新幹線)2時間13分
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米原⇔敦賀 (在来線)約1時間10分 (特 急)約30分
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米原⇔金沢 (特 急)約1時間50分
●買い物
地域内で買い物をできる場所はごく限られていますが、車で長浜の中心市街地まで走れば何でもてに入ります。
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個人商店…吉槻に立澤商店、甲津原に岡部商店あり、毎週火曜に民間の移動販売車あり
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コンビニ…道の駅から車で2分以内にセブンイレブン・ファミリーマートあり
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スーパー…道の駅から車で3分以内にフレンドマート、15分以内にイオン・西友・平和堂あり
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ホームセンター…道の駅から車で3分以内にナフコ・コメリあり
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ドラッグストア…道の駅から車で3分以内にユタカあり
●教育
「東草野小中学校」が吉槻にありますが、少子化のため平成26年度末で休校となってしまい、現在はふもとの小中学校までスクールバスで通っています。
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小中学校…市立伊吹小学校・市立伊吹山中学校へはスクールバスで通学可能
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幼児施設…市立いぶき認定こども園は待機ゼロで入園可能
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高校…米原・長浜・彦根市内に県立高校多数あり
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大学等…県内近場では、滋賀県立大学(彦根市)、滋賀大学経済学部(彦根市)、長浜バイオ大学(長浜市)、聖泉大学(彦根市)、立命館大学理工学部(草津市)、龍谷大学理工学部(大津市)など。その他、京都・名古屋等に大学・専門学校多数あり
●福祉・医療
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診療所…吉槻にあり、甲津原でも定期的に出張診療あり
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総合病院…市立長浜病院、長浜赤十字病院(いずれも道の駅から車で15分程度)
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デイサービス…「きたで~」(大久保)、「愛らんど」(春照)
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その他福祉施設…米原市社会福祉協議会、地域支え合いセンター等の拠点が近隣にあり、福祉委員、民生委員が各集落内で活動
●公共施設・金融機関等
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行政サービスセンター…吉槻にあり
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米原市役所伊吹庁舎(春照)
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郵便局…「東草野郵便局」が吉槻にあり
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金融機関…滋賀銀行(春照)、JAバンク(春照)
●防災
姉川ダムがあり、河川改修もされているため、洪水のリスクは低いです。地盤も固く、地震にも比較的強い地域といえます。ただ、急峻な谷あいのため、場所によっては集中豪雨等により土砂崩れが起きる可能性はあります。万一道路が塞がれて孤立しても、天然の水や食糧等は各集落周辺に常時十分あり、総じて、災害には強い地域です。課題は積雪で、毎年1~3mの雪が積もり、幹線道路は市が毎日除雪作業をしてくれるものの、集落内道路や駐車場の除雪は住民が行わねばならず、大雪の際は屋根の雪下ろしが必須です。
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広域避難所は東草野小中学校校舎(甲津原は交流センター)
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曲谷に消防署あり
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各集落に消防分団あり
●文化・娯楽
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温泉…薬草の里文化センター(薬草風呂)、あねがわ温泉(陶板浴)、須賀谷温泉(湯治場)
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市民ホール・文化講座…薬草の里文化センター(春照)、ルッチプラザ(長岡)
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図書館…山東図書館(ルッチプラザ内)
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映画館…ビバシティ彦根(彦根市)
●観光
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食…売店喫茶「麻心」(甲津原)、薬膳「山のごはんよもぎ」(甲津原)、立澤商店(吉槻)
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スキー…奥伊吹スキー場(西日本最大級)
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釣り…姉川やその支流でイワナ等の渓流釣りがさかん(入漁券が必要)
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登山…伊吹山(県内1位)、金糞岳(県内2位)のほか、峠越えルート多数
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サイクリング…「せんろみちコース」「奥伊吹ヒルクライムコース」などが人気
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キャンプ…奥伊吹スキー場、アグリコテージ(甲津原)のほか、近隣では、姉川パークキャンプ場、高山キャンプ場なども人気
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滝…五色の滝、与九郎滝など
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風景…姉川ダム展望台、棚田、伝統的集落、神社仏閣、吉槻の桂の木、曲谷の乳イチョウなど
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資料展示…姉川ダム(ダムカードあり)、奥伊吹ふるさと伝承館、伊吹山資料館など
イベント・年中行事
1月 伊吹の森わくわく雪遊び
2月 雪掘り野菜収穫体験ツアー、オコナイ(甲津原・曲谷)
4月 スキー場クローズ、春の例大祭(湯かぶり神事)
5月 田植え
6月 甲津原農業体験ツアー(春)
7月 姉川一斉清掃、姉川ダム除草作業
8月 伊吹の森わくわくサマーキャンプ、里おこしアートイベント「伊吹の天窓」
9月 永代経、稲刈り
10月 甲津原農業体験ツアー(秋)、姉川ダム除草作業
11月 そばの収穫&そば打ち体験ツアー
12月 報恩講、スキー場オープン
「滋賀県米原市」について
「東草野地域」とは
東草野の歴史
その森からは年間を通じて随所に水が湧き出し、各集落では古来その湧き水を引き込んで農業用水や融雪水はもちろん、飲み水や生活用水としても利用してきました(現在は上水道も整備されていますが、湧水も利用し続けられています)。清らかな水と寒暖差が大きい棚田に育まれたお米の味は格別で、一度食べたら市販の米には戻れないという人も。
標高は300~600mで、夏は涼しく、窓を開ければエアコン要らず。逆に、冬は豪雪地帯で、1mを超える積雪も珍しくありません。この雪を利用して設営された「奥伊吹スキー場」は、西日本随一の積雪量と雪質を誇っていて、例年多くの利用客でたいへんにぎわっています。
森の周辺には、シカ、カモシカ、イノシシ、サル、キツネ、タヌキ、アナグマ、リス、ウサギ、ツキノワグマなど、あらゆる野生動物が生息していて、集落周辺でも時々見かけることができますが、一方で、農作物などの獣害は深刻さを増しています。
●交通
《車》
車さえあれば、長浜の中心市街地まで片道20~30分。それほど不便は感じません。ただし、積雪時は除雪や徐行運転が必要な日も。
ふもとの道の駅まで吉槻集落から約10分、甲津原集落から約20分
ヒガシクサノで
自伐型林業+(プラス)
「自伐型林業」は、チェーンソーと小さなユンボ1台を使い、2~3人のチームで、道をつけながら山に分け入り、山林を持続可能な形で管理・活用するしごとです。
自伐型と言えども、林業は常に危険を伴います。しっかりした安全管理と技術の習得、そしてチームビルディングが重要です。
ゆたかな山林に囲まれた東草野地域で、私たちと一緒に「自伐型林業+」の暮らしを手に入れませんか?
「自伐型林業」は、チェーンソーと小さなユンボ1台を使い、2~3人のチームで、道をつけながら山に分け入り、山林を持続可能な形で管理・活用するしごとです。
~担い手&移住者募集!!~
びわ湖水源の里・東草野(滋賀県米原市)
「びわ湖水源の森」を守り活かす仕事にマイペースで取り組める、
山と田畑と心温かい人々に囲まれた暮らしを手に入れませんか?
東草野スタイルの「自伐型林業+」への挑戦
Index
「自伐型林業」とは
自伐型林業(じばつがたりんぎょう)とは、採算性と環境保全を高い次元で両立する持続的森林経営です。参入障壁が非常に低く、幅広い就労を実現します。今、「地方創生の鍵」として期待され、全国各地で広がっています。
幅広い就労機会
専業・兼業、6次産業化、森の多目的活用化(森業・山業)と自伐と組み合わせた兼業化がなされ、多様な森林経営が展開される。新たな中山間地産業の創出に。
現行林業比10倍の就業者創出力
一定面積の山林を離れず毎年収入を得続ける手法。面積あたり就業者がアップする。
初期費用300〜500万円程度の低機械投資
チェーンソー、3トンクラスのミニバックホー、林内作業車、軽トラック or 2トントラック程度で新規就労のハードルが低い。
自家伐採と小規模機械で低コスト
余計な委託経費や機械償却、燃料代がかからないため、採算が合う。
環境保全型林業
小規模な「壊れない作業道」は土砂災害防止に貢献する。同じ山林に張り付くため、根本的な獣害対策となる。
択伐施業で長期的な森林経営を展開
長期択伐施業は再造林回数を減らし、再造林が必要な場合でもコスト化されない。
東草野の山林の特徴と現状
姉川本流の最上流に位置する東草野地域には、総面積約3,000haに及ぶ広大な山林があります。
森林構成
スギ・ヒノキの人工林は集落周辺や谷筋に沿って戦後に造林されたものが多く、40~50年生の林班が多く見られます。国有林・県有林・財産区林・小規模私有林が混在していて、特に財産区林・私有林は高度成長期以降ほとんど管理されていないところも多く、近年は熊や鹿の食害によるスギの立ち枯れが目立ち、早急な対策が求められます。雪により根曲がりや先折れを起こしている木も多く、総じて、建築用原木として高値で売れるA材の比率はかなり少ないものと思われます。
山林全体に占める人工林率は比較的少なく、中世から昭和40年頃まで続けられていた炭焼きに使われ、その後は放置されている雑木林が大半を占めています。四季折々の美しい風景を魅せる広葉樹の山々は、水源を涵養し、ゆたかな生態系を育んできましたが、人の手が入らなくなったことで山は荒れ、近年は獣害が深刻化しています。この「広葉樹」の潜在価値をいかに見出すかが、東草野地域における自伐型林業成功のカギであると考えています。
集落の裏山には竹林も点在していますが、こちらも人の手がほとんど入らなくなり、雪で倒れた枯竹が折り重なる荒廃竹林になってしまっているのが実情です。
地形・地質
花崗岩や砂岩を主体とし、吉槻~曲谷には岩盤が露出しているところも。一方、甲津原は真砂土が多く分布し、崩れやすい箇所も見られます。
また、地域全体が姉川および支流が山を削ってできた急峻な谷地形であるため、全体的に斜度が大きく、車が出入りできる作業道をつけるには、慎重に地形を見極めながらの路線計画が要求されます。
植生分布
谷沿いにはケヤキ・カエデ・クルミなどの渓畔木、中腹から尾根にかけてはナラ・カシ類、尾根伝いにはアカマツが多く分布しています。
地元集落の茅葺き古民家は総けやき造のものも多く、昔は大径のケヤキが豊富に存在していたと思われます。現在は、かつての炭焼きの名残でひこばえしている樹木、雪の重みで斜めや横向きに生長している樹木も多く、大径木の比率はそれほど高くなく、広葉樹についても、家具用材として高値で売れるものは多くないと思われます。
「自伐型林業の森」
東草野地域で最初の自伐型林業実践モデル地域として、「黒谷地区」(下図参照)が選定され、平成28年度から実践研修の場として、実際に伐木造材や作業道づくりを少しずつ進めています。上記の通り、林業を営む山としては決して条件の良くない場所ですが、逆に言えば、知恵と工夫を凝らして、この場所で少しでも持続的に収益をあげられる事業スタイルを確立できれば、全国の中山間地域が注目するモデルになれる可能性を秘めていると言えます。
【図】東草野地域の山林概要図(背景地図画像:Google Map)
東草野の将来ビジョン
「108次産業」と「自伐型林業+(プラス)」
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人口・世帯数は現状とほぼ変わらず、若者や子どもの比率が増えている。生きがいを求めてやってくるI・U・M(孫)・Y(嫁)ターンの若者が毎年数組のペースで移住してくる。人口の半分近くが、Uターンまたは移住者であるが、みんなが地域に愛着を持ち、自治会行事や祭りなどもしっかり続いている。
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山や水のめぐみを活かし、地域に眠っていた再生可能エネルギー資源が最大限に活用されて、エネルギー自給率が100%をおおきく超えている。
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若者を中心とした自伐型林業が定着し、木材加工施設や薪炭材製造施設もあり、里山に人の手が入ることで獣害が減り、松茸山も復活している。
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山林、遊休農地、空き古民家が有効に活用され、農林業が6次産業化され、福祉サービスも充実して、地域内にスモールビジネスの担い手がたくさん育っている。
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自然環境や文化的景観が、適切に管理・保全されて美しく残っている。
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4集落同士の交流や都市住民との交流がさかんになっていて、オープンでアットホームな人づきあいができる状況が継続し、いつも笑顔が溢れている。
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学校が再開され、野外保育などもあり、子どもたちが豊かな自然の中で自由に遊んだり学んだりでき、誰もが「ここで子育てしたい」と羨むような環境が整っている。集落にいつも元気な子どもの声が溢れている。
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買い物、福祉医療、公共交通などの利用しやすいサービスを地域内で受けられるようになっている。
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地元の安心安全なものを食べ、田畑で体を動かし、若者もお年寄りもみんな健康体で、病院や薬に頼る必要がない人が多く、要介護率が極端に低い。
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以上のことが全国に知れ渡り、湖北エリアで住みたい田舎NO.1のブランドイメージが定着している。
■理想を現実に引き寄せるための4つのビジョン(指針)
東草野まちづくり懇話会では、平成27年度より農林水産省の「農村集落活性化支援事業」に採択され、地元4集落を対象にアンケート・ヒアリング・ワークショップ等を行い、平成28年3月に「東草野の将来ビジョン」を策定しました。
■1世代後の東草野地域のイメージ(理想像)
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「自伐型林業」を核とした 「108次
産業」の展開
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「エネルギーフリー地域」 の実現
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「健康長寿」のむらづくり
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地域ぐるみで、楽しく安心して子ども
が育つ環境づくり
純粋な林業の森としては条件不利地である東草野地域の山林で自伐型林業を成功させるために、森の恵みに様々な形で活用する「林業の6次産業化」をめざすと同時に、休耕田や特産品を活用した「農業の6次産業化」、地域資源を活用した観光業や地域課題を解決する福祉事業など、それぞれ専業では生計を立てるのが難しい複数のスモールビジネスを、各々の得意や好みに応じて組み合わせることで、地域に持続可能な雇用がたくさん生まれ、地域がどんどん住みよく、元気になっていきます。
「自伐型林業」にいくつかのローカルビジネスを「+(プラス)」した、新しい仕事のカタチ。それが「108次産業」です。
資本主義社会において、私たちは、「競争」「進化」「効率」「品質」を追求し続けることが宿命づけられています。他社よりも早く、安く、多く売るため、イノベーションを加速させ続けながら、大量生産・大量輸送・大量消費・大量廃棄を背景に、お金で買えるあらゆるモノやサービスが満ちあふれた社会に、私たちは今生きています。
しかし、そのような生き方、働き方にどうしても馴染めない人も、世の中にはたくさんいます。また、持続可能ではない社会・経済のしくみに疑問を持ち、変えたい・変わりたいと考える人が増えてきています。
今までは、効率重視の価値観から、どうしてもアクセスが便利な都市部に人口も情報も投資も集中し、一方の農山村では過疎化が急速にすすんでしまいました。特に、しかし、これから「3S」な生き方を求める人々にとって、かつては山の恵みを最大限に活かして衣・食・住・エネルギーをほぼ全て自給自足できていた「中山間地域」は、その気になれば利用可能な天然資源に恵まれた、いわば「次世代のフロンティア」。
毎日身近に自然を感じ、ローカルで身の丈にあった仕事をし、地域コミュニティのなかで仲間と心を通わせながら、「山里」でのシンプルで健康的な暮らしを愉しむ。…そんな、心豊かな「人間らしい」ライフスタイルの選択肢が、ここにはあります。
「3S(スロー、スモール、シンプル)」な暮らしの提案
そこで、よりゆっくり(スロー)、より小規模(スモール)、より簡素(シンプル)な「3S」をベースとした、「ローカル」で「コンパクト」な暮らし方や幸せのあり方を求めて、さまざまな新しい試みが、すでに各地で始まっています。
中山間地域こそ、次世代のフロンティア!
「ライフ-ワークバランス」を追求し、自分らしい人生を。
企業に尽くし、労働を提供し、そのことによって十分なお金を得て、余暇でやりたいことをたっぷり楽しむ。これも素敵な生き方のひとつでしょう。
でも、そもそも、生活(ライフ)を成り立たせるために私たちは仕事(ワーク)を求めているのですから、できれば、お金のためと割り切ってツライ仕事時間を過ごすより、自分の生活・生きがい・住んでいる地域や身近な人々の喜びに直結する仕事でナリワイを立てることで、自分が本当に好きなことに全力でチャレンジできる「自分らしい人生」をおくれたらいいな。そう、思いませんか?
まず「ライフ」を思考の中心に据えたうえで、「ワーク」のバランスを自分の思い・好み・ペースに応じて調整できる。高額安定収入の保証はないけれど、その分、半自給的な暮らしをして、できるだけ生活コストをかけずにやりたいことだけに時間を割ける「半農半X」生活をしてみたい。そんなあなたに、「山里生活」をおすすめします。